【自己啓発】道は開ける(D・カーネギー)

『人を動かす』と並ぶカーネギーの二大名著。人が生きていく上で誰もが直面する「悩み」の原因を客観的に自己分析し、心の持ちようや習慣を改め、心身の疲れを取り除く等の方法で具体的かつ実践的に解き明かす。苦悩するすべての人を心の闇から救いだし、行動と自己変革への勇気を与え、新しい人生を切り開くための座右の書。1944年の初版刊行以来、改訂が施されてきた現行の公式版である『新装版 道は開ける』から本編28章を収載した。(「Amazon」より)

  • 感想

人の悩みの実態とそれの克服法が書かれています。その中で特に感銘を受けたものを3つにまとめてみました。

・今日1日だけを精一杯生きる。

1日だけなら誰でも主体的に、他人を気にせず、我慢強く生きることができます。昨日こうすれば良かったとか、明日は頑張ろうではく、今日1日を全力で頑張ることで、その積み重ねが一月、一年、そして一生となります。精一杯生きた今日は、全ての昨日を幸せな思い出に変え、全ての明日を希望の見取り図にします。

・小さなことで悩まない

悩みの大半は数年後には皆が忘れてしまうような小事です。そのような小言に悩むことに自分の貴重な人生の時間を費やしてはいけません。人生は小事にこだわるには短すぎます。

・他人を真似しすぎない

自分の良さを消さないこと。他人を真似る、他人の意見に任せるということは、他人の寄せ集め、他人の二流品に過ぎません。せっかく生まれてきたのであれば、自分に徹し。自分らしく自分の人生を生きたいものです。

  • 本書を読んで得たもの

精一杯生きた1日の積み重ねによって、人生の道は開ける。

【自己啓発】人を動かす(D・カーネギー)

あらゆる自己啓発本の原点とも言うべき本書は、1937年に初版が発行されると瞬く間にベストセラーとなり、累計で1,500万部を売り上げた。『How to Win Friends and Influence People』は初版の発売当時と同じように今日でも十分通用する内容となっているが、その理由は、著者のデール・カーネギーが決して変わり得ない人間の本質を理解していたからに他ならない。

  • 感想

私が、これまでの人生で何となく感じていた、人間関係でうまくやるためコツについて、分かりやすく体系的にまとめられています。普通の人が、何十年もかけてボンヤリと掴みかけることができる人間関係のコツを、本書をたった数時間で読むだけで身につけることができます。そもそも、本書は、人間の本質について、カーネギーが生涯をかけて研究した成果をまとめたものであり、その成果をたった800円程度で手軽に自分の物にできるということを考えると、読書とは素晴らしい物だと改めて感じました。

本書の内容は、主に3点について書かれています。

①人は例外なく、他人から評価を受け、重要人物だと思われたい。

②人は例外なく、他人から関心を持ってもらい、自己主張をしたい。

③人は例外なく、自分のプライドを傷つけたくない。

つまるところ、どのような人でも、自分が一番大事だと思っており、その欲望を満たしてくれる人に対しては、良い人間関係を築こうとし、相手の都合が良いように動かされようとされます。

そのために、我々は相手に対してどのような行動をとるべきかが、様々な事例をもとに述べられています。一冊読むだけで、何人もの他人の人生を体験できた気持ちになる本です。

  • 本書を読んで得たもの

まず相手に関心を持たなければ、相手が自分に関心を持つことはない。

【自己啓発】知的生産の技術(梅棹 忠夫)

学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない。メモのとり方、カードの利用法、原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は、長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて、創造的な知的生産を行なうための実践的技術についての提案を試みる。(「Amazon」より)

 

  • 感想

本書では、考えること、それをメモ書きにより記録・整理し、文章にすることの重要性・方法が書かれていています。考える力を身につけるために、上記の一連作業は必要です。しかし、本書は1960年代に書かれたこともあり、50年後の現代に通じる部分は少ないと感じました(現在の電子データを考慮されていない文書の保管方法など)。そもそも、メモ書きについては、「ゼロ秒思考(赤羽雄二)」の方が参考になると個人的には感じます(ゼロ秒思考が本書を参考にした可能性はありますが)。

また、日本語は全てローマ字書きにした方が良いのではないかという内容が数十ページにわたり考察されているなど、読み物としては面白いかもしれませんが、多くを得たいという目的には適していないと感じました。

  • 本書を読んで得たもの

記憶する代わりに、メモ書きなどで記録し、脳を考えることに集中する。

【自己啓発】完訳7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)

全世界3,000万部、国内180万部を超え、今も読み続けられるビジネス書のベストセラー『7つの習慣』は、人生哲学の定番として親しまれてきました。今回スティーブン・R・コヴィー博士没後1年を期に、『7つの習慣』が本来持つ「人格主義」に基づき、原書に忠実に訳し直しました。よりわかりやすく理解しやすい完全訳の『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』。豊かな人生を望むすべての人にお届けします。(「Amazon」より)

  • 感想

本書では、幸せな人生への近道は、小手先の自己啓発テクニックではなく、根本的に人格を直すことだとしています。そして、人格は、日々の習慣から形成されることから、人格形成のために良い習慣を身につけることが重要であるとし、身につけるべき習慣とその身につけ方を本書にて紹介しています。

 

本書では、人間の成長には3つの段階があり、基本的には第一段階「依存状態」から始まるとしています。

第一段階「依存状態」…他人に合わせて、他人の人生を生きること

第二段階「自立状態」…自分で考え決断し、自分の人生を生きること(私的成功)

第三段階「相互依存状態」…互いに協力し、幸せを最大化すること(公的成功)

 

第二段階「自立状態(私的成功)」に必要な習慣

①第一の習慣「主体的である」

(パーソナル・ビジョンの原則)

主体的とは、自らの人生を他人や環境のせいにせず、自ら責任を持って考え、決断し、行動することです。自分こそが、人生の主人公であり、自ら人生の脚本を書いていく意識も持つことが求められます。例えば、他人が手を差し伸べるのを待つのではなく、自ら進んで行動することなどです。

また、物事には、自分でコントロールできることと、コントロールできないことの2つがあります。自分でコントロールできないこと(過去・天気など)については潔く受け入れ、自分でコントロールできることに集中して取り組むことこそが、最大の成果を生み出す秘訣です。

「主よ、私に与えたまえ。変えるべきことを変える勇気を、変えられないことを受け入れる心の平和を、そしてこれら二つを見分ける賢さを」

②第二の習慣

「終わりを思い描くことから始める」

(パーソナル・リーダーシップの原則)

第二の習慣は、人生に自らがリーダーシップを発揮し、人生で優先すべきことを決めることです。自分が死に、葬式が行われる時、親族・友人・家族・同僚などに、自分の人生をどのように語って欲しいでしょうか、彼らにどのような影響を与えていたいでしょうか。そのために、日々の人生で何を優先すべきなのでしょうか。

そして、自分が人生でやりたいことは、他人に委ねるのではなく、自分で主体的に決めるべきです。なぜならば、我々は他人の人生を生きているのでなく、たった一度しかなく、かけがえのない自分だけの人生を生きているのだからです。

そのため、他人や環境に左右されない、自分が最も優先すべき方針を、あらかじめ決めておくべきです。その優先事項を人生の原則として、その方向に向けて主題的に日常生活を努力することが大切になります。

③第三の習慣「最優先事項を優先する」

(パーソナル・マネジメントの原則)

第二の習慣で優先すべきことを決めたのであれば、優先順位に従い行動することが必要になります。しかし、我々は日々の生活で、自分の人生に重要ではないことに時間をかけ過ぎていないでしょうか(会社で頼まれた誰でもできるような仕事など)。「エッセンシャル思考」でも度々語られていましたが、自らの優先事項に背くものは、断ることや、他人に任せることも重要になります。他人の期待を満たすことよりも、自らの人生の優先事項を優先すべきです。

 

第三段階「相互依存状態(公的成功)」に必要な習慣

④第四の習慣「Win-Winを考える」

(人間関係におけるリーダーシップの原則)

Win-Win以外のどちらか一方が得をする状態では、将来に何らかの悪影響を残します。そうであるならば、Win-Win以外の取引は、いっそ行わない方が得策です。その分、時間を他の重要なことに使うことができるでしょう。そのためには、相手の気持ちを察する「思いやり」に加えて、自信を持って自分の考えを述べる「勇気」も必要になるでしょう。

幸せとは、有限であり皆で奪い合うものではありません。他人が幸せになると、嫉妬し、まるで自分が損した気分になる、他人の不幸をひそかに望んでいる意識では、Win-Winの関係を築くことはできません。幸せはこの世に十分溢れており、皆でそれを最大化するという意識を持つことで、他人の幸せも喜ぶことができる人になるのではないでしょうか。

⑤第五の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」

(共感によるコミュニケーションの原則)

コミュニケーションを円滑に進めるためには、相手が心を開き、自分を信頼してくれるような人格を身につける必要があります。そのために、相手の立場に立ち、相手を理解しようとすることが重要です。例えば、会話のテクニックとして有名な「私にも同じような経験があって」とか「その気持ち分かります」という会話も、自分の過去の経験を相手の話に照らし合せているだけで、相手の立場から話を聞くことができていないのではないでしょうか。

⑥第六の習慣「シナジーを創り出す」

(創造的協力の原則)

お互いに敵対関係にあるのではなく、協力した方が多くを生み出すことができます。他人は、自分とは違う人生を歩んできています。自分とは違う経験をしてきた人が身につけた知識・ノウハウを抽出して短時間で得ることは、自らの成長のチャンスにもなるでしょう。格言にあるように、自分と同じ考えの人から得るものは少なく、考え方が違う人から得るものは多いのではないでしょうか。

⑦第七の原則「刃を研ぐ」

(バランスのとれた再新再生の原則)

大木を倒すには、斧を振り続けるよりも、作業を中断して斧を研ぐ方が効果的な場合もあります。日々の生活でも、目の前の仕事に忙殺されず、心身の向上・休息の時間を確保することが重要になります。毎日少なくとも1時間以上、自分の肉体・精神・知性の刃を研ぐことに費やすことが、自らの能力を高めるために理想的です。

  • 本書を読んで得たもの

人生の最優先事項を決め、実際に最優先させる。

【自己啓発】結局「すぐやる人」がすべてを手に入れる(藤由達藏)

「すぐやることの大切さ」を無意識に感じ取っている人が多いにもかかわらず、行動力が大事とわかっていても、なかなか行動できないもの。それはなぜか? 理由は、人間の心にブレーキをかけ行動力を下げてしまう3つの「不安」を感じてしまうから。口だけでなかなか行動できない人、考えすぎて行動にうつせない人…こんな先送り、先延ばしの自分を変えるにはどうしたらいいか?数多くの人々に行動力を高める指導をしている著者の独自のノウハウで、10秒で行動に移す方法と不安を消す方法を紹介する。(「Amazon」より)

  • 感想

後の伸ばしにせずに、すぐに行動することの重要さとその手段が書かれています。

しかし、個人的には得るものが非常に少ない一冊であり残念です。

まず、他の自己啓発本で読んだ内容と重複している部分が多かったこと。

・視座が〜のくだりは、「プロの課題設定力(清水久三子)」

・今ここを生きる〜のくだりは、「嫌われる勇気(岸見一郎、古賀史健)

・メモ書き〜のくだりは、「ゼロ秒思考(赤羽雄二)」など

次に、過去の偉人の本・言葉からの参照が多いこと。

・ダニエル・ピンク「モチベーション3.0」

カーネギーユングジョブズなどなど

・挙げ句の果て、不要なことを切り捨てることの重要性を説いて、その具体的方法を述べる最後の段階で他の書籍を紹介して興味がある人は読んでくださいと丸投げしていること。

最後に、行間が広く、ページ数の割に内容が少ないこと。なので、他人の意見を紹介している内容が非常に多く、個人の意見が少ないです。

他人の意見の参考についても表面的なことしか述べていなく、該当書籍を読んだ方が良いでしょう。

  • 本書を読んで得たもの

小さな一歩でも、まずは踏み出してみる。

【自己啓発】エッセンシャル思考(グレッグ・マキューン)

2014年の『NYタイムズ』『WSJ』ビジネスベストセラー、日本上陸!

AppleGoogleFacebookTwitterのアドバイザーを務める著者の
99%の無駄を捨て1%に集中する方法とは!?

本書で紹介するエッセンシャル思考は、単なるタイムマネジメントライフハックの技術ではない。本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための、システマティックな方法論だ。エッセンシャル思考が目指す生き方は、「より少なく、しかしより良く」。そのためには、ものの見方を大きく変えることが必要になるが、時代はすでにその方向へ動きだそうとしている。

 

 

  • 感想

我々のかけがえのない人生は短く有限です。短いからこそ、不要なものを切り捨てて、大切なものだけに集中をする必要があります。参考に、過去の偉人達の意見を紹介します。

・「教えてください、あなたは何をするのですか、その激しくかけがえのない一度きりの人生で」

・「もしもたったひとつのことしかできないとしたら、自分は今、何をやるのか」

・死を迎える患者たちが最後に後悔していることは「他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった」

自分に正直に生きるということは、不要なことを見極め、排除することです。そのためには、無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的なチャンスを切り捨てることも必要になります。我々は、やることを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことに集中するべきではないでしょうか。

エッセンシャル思考とは、以下の3つを意識し、本当に大事なことを見極め、最高のパフォーマンスを発揮することです。

①「やらなくては」ではなく「やると決める」

②「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」

③「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」

例えば、沢山の仕事を抱え込んで仕事に追われている人がいます。しかし、「今、自分は正しいことに力を注いでいるのか」という観点から、それ以外の仕事は、断るor他人に任すようにすれば、より良いパフォーマンスが出せるでしょう。逆に、自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまい、パフォーマンスは落ちてしまうでしょう。

エッシェンシャル思考を実現するためには、物ごとを断ることが必須になります。他人の評価を気にして断ることができない人も多いと思いますが、人々はNoと言う勇気のある人を高く評価する傾向があります(優秀な人の必須スキルとして)。たしかに、身の回りの優秀と言われている人は、他人の言いなりにならず、Noと言うことで、集中すべき課題のみに集中して成果を出していると感じます。

Noと断るべきところで、もしイエスと承諾してしまったら、別のもっと価値あることができなくなってしまいます。自分の時間を安売りしないようにしましょう。

我々の人生はあまりにも短いです。しかし、短いからこそ勇気を出して冒険することができます。間違いを恐れずにすみます。限られた時間の使い方を、より一層厳密に選ぼうと思えます。

エッセンシャル思考に生きることは、後悔なく生きることと同義です。本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の余地はなくなり、自分の選択肢を心から誇りに思えます。「本当に重要なことは何か?」それ以外のことは、捨てた方が良いでしょう。周囲に流されず、自分自身の選択をすることを続けていれば、自然と身につく思考法かと感じました。

  • 本書を読んで得たもの

より少なく、しかしより良く追求する

【自己啓発】日本人にお伝えしたい48のwhy(厚切りジェイソン)

お笑い芸人、そしてIT企業の役員として大活躍中の、厚切りジェイソン

「なぜ勉強する必要があるの?」「努力は必ず報われるの?」「正直に生きてきたけど、ずるがしこさも必要?」など、日常の様々な疑問に対し、一刀両断で、厚切りジェイソンが回答。日本人には、まさに目から鱗が落ちるポジティブな生き方や考え方に、明日へのヒントがもらえるはず!

 

  • 感想

本書では、日本人にありきたりな性格「他人の目を気にしすぎる」「意思決定をしたがらない」について、苦言を呈し、改善方法を示しています。これらの、典型的な日本人の性格は、過去に紹介した自己啓発書でも度々指摘されている事柄ですね。

本書で印象に残ったのは以下の2点です。

・日本人は他人の目を気にし、「どっちでもいい」「どうしたらいい」と自分で意思決定をしたがらない。これは、自分で考えず、他人に責任を転嫁する言い訳に過ぎません。そもそも、他人は責任を取ってくれないし、責任を持ちたくないから一番安定した道を押し付けます。自分の人生なので、自分で考えて、自分で決断し、自分の意見を言えて、その意見をちゃんと論理的に説明でき、自ら仮設を立てて、分析できる人になるように。さらに、途中でへこたれない根性があって、他人の目に惑わされない。みんながやっていることなんて、やらなくてもいいと思えるような人間になるべきです。

・一度きりの人生、無駄にしないこと。自分は人生の主人公です。死ぬ直前に「無難に生きてきてよかったな」と言う人は聞いたことがありません。人生の唯一の失敗は、挑戦しないことです。他人にどう思われても良いので、堂々と物事を恐れずに生きるべきです。人生はなんとかなる。せっかくだから楽しもう。

  • 本書を読んで得たもの

一度きりの人生、他人を気にせずに、自分で考え決断し挑戦する。