【自己啓発】レジリエンス入門(内田和俊)
人生には心が折れやすくなる時期が必ずやってくる。どうすればそれを乗り越え、成長へとつなげられるのか。「レジリエンス」=心の自然治癒力を高めれば、さまざまな困難に対処することができる。その方法をわかりやすく解説する。
- 感想
レジリエンスとは「外圧による歪みを跳ね返す力」。詳しく言えば、「目の前の逆境やトラブルを乗り越え、強いストレスに対処することができる精神力」。
我々は、何らかの人生の目標達成に向ける道のりの中で、様々な外圧を受ける。その外圧に心を折られずに、目標に向かって進み続ける力が「レジリエンス」。
強化することで、やり抜く力(グリット)、本番の強さ、自信を身が身につく。
強化するには、以下が大事。
①被害者意識・周りのせいにしてしまう時
→自分の意思でコントロールできるものに集中すること。コントロールできないことに無駄なエネルギーを使わないこと。「人生は、その10%に何が起こるかであり、90%はそれにどう対処するか」
②マイナスの感情(不安・怒り・嫉妬)を持ちがちな時
→嫉妬の処方箋は、相手よりも楽しく生きることしかないことを知ること。
③人に頼れない時
→他人は頼られることは満更ではない(マズロー尊重欲求)ことを知ること。
④完璧主義・勝ち負けの二分化主義になりがちな時
→今の状態で何ができるかを考えてベストを尽くすこと「最善主義」
⑤作業中・会議中などに別のことを考えがち。
→マインドフルネス呼吸法「息を短く吸い(交感神経小)、長く吐く(副交感神経大)その過程で、五感や雑念を客観視し、今の感情に気づくこと。今を生きる。
⑥しんどい時
→今がゴールではなく、過程であることを知ること。
- 本書を読んで得たもの
今から20年後、あなたはやったことよりもやらなかったことを後悔するだろう。命が保証され死の危険がないのなら、積極的にリスクをとる生き方をすべき。
【自己啓発】やり抜く力 GRIT(グリット)(アンジェラ・ダックワース)
ハーバード×オックスフォード×マッキンゼーの心理学者がついに解明、世界騒然!ビジネスリーダー、エリート学者、オリンピック選手…成功者の共通点は「才能」ではなく「グリット」だった!誰でもどんな分野でも一流になれる最強・最速のメソッド!(「Amazon」より)
- 感想
大きいことから小さいことまで、何かを成し遂げて成功するために必須な能力は「やり抜く力(グリット力)」です。現状、特に頑張りたいことを持っていない人も多いかと思いますが、いつか人生をかけて成功させたいことを見つけた場合、その成功は過去の経験により培わられた「やり抜く力」に大きく左右されます。
「やり抜く力」を培うには2つの方法があります。
①自分で伸ばす
様々なことに挑戦をし、その中から興味のあることを見つけ、それに対して継続的に自主的な努力を重ねること。
②周りの人に伸ばしてもらう
やり抜く力を持つ人の集団に入る(ex部活)、該当スキルを持つ人と一緒にいる時間を長くすること。周りも当然のように頑張っていれば、自分も頑張ることが当然のようになるはずです。
今現在も必死に頑張っている人からしたら当然の内容かもしれませんが、頑張れずに悩んでいる人、子供に「やり抜く力」を身につけさせる子育てをしたいと考えている人にオススメの1冊です。
- 本書を読んで得たもの
一歩ずつでも前に進み、日々粘り強く取り組むこと。
【ビジネス書】確率思考の戦略論(盛岡毅)
ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっている。その確率はある程度まで操作することができる。八方塞りに思える状況でも、市場構造や消費者の本質を理解していると、勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つチャンスのある戦い方、つまり勝つ確率の高い戦略を導き出すことができる。その戦略を導か出すのが「数学マーケティング」である。(「Amazon」より)
- 感想
近年では、映画だけのテーマパークから、アニメ・漫画などを加えた様々なエンターテイメントを集めたテーマパークに転換し、子供向けアトラクション・スリルの強い乗り物・季節イベント等を充実させることで幅広い客層を獲得し、来客数の大幅な向上を達成したUSJの手法を、数学的な裏付けから説明しています。
本書では、消費者に自社商品の愛好度を高めてもらい、消費する際の選択肢のうちで、自社商品が選ばれるシェアを少しでもあげることを最重要としています。
前半部分における、USJがどのようなマーケティング手法を採用したかという部分は読んでいて興味を持ったものの、後半部分のマーケティングの手法等は専門的でマーケティング業に携わる人でなければ難しいかもしれません。そのため、マーケティングをある程度学んでおり、更に専門性を深めたいという人におすすめの1冊です。
- 本書を読んで得たもの
人生は確率。できることは確率を上げること、結果に対して悔いはない。
【自己啓発】その幸せは偶然ではないんです!(クランボルツ)
転機を活かして人生を変えた人たちの、ほんの少しの勇気。本書は、自分の将来キャリアや人生の選択に悩みながら道を切り拓いていったごく普通の人たちのケースを、心理学者であるキャリアカウンセラーが読み解きながら、変化の激しい時代における仕事やキャリアの新しい考え方を示しています。
「みなさんには、今後一切キャリアに関する意思決定をしないでほしいのです」という著者のアドバイスは痛烈ですが、大学生や若手ビジネスパーソンなど、人生や仕事の転機に直面している多くの人々にとって、示唆に富み勇気を与えてくれる書となっています。
- 感想
本書の大半では、何かに挑戦して成功した人や、失敗から学びを得た人のエピソードを紹介しています。色々と考えすぎて行動しないこと、完璧を求めて失敗を怖がり挑戦しないことよりも、たくさん失敗をして多くの経験をすることを勧めています。エピソードからハッとさせられるような人生の指針を見つけることはできませんでしたが、リスクをとって挑戦することへのマイナスイメージは薄まったと感じます。何か挑戦したいと思っているけど、それを自己肯定したい人や、背中を押して欲しい時に読むと、気持ちが楽になる本ではないでしょうか。
本書を紹介してくれた人に聞いた言葉ですが「努力とは裏切られるものですが、何かを成し遂げるには裏切られることを前提に頑張るしか道はありません」
- 本書を読んで得たもの
結果は考えても分からないので、考えすぎずに行動を起こす。
【自己啓発】自分を信じ抜く100の言葉(中島輝)
今もなお、アメリカの成功者の多くが指針とする
19世紀の思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンの名言集。
生き方、仕事、人間関係、挫折、成長、友情、成功法則……。
人気カウンセラーが現代に生きる人々の悩みに照らし分かりやすく解説。
- 感想
エマソンを始めとする偉人の名言を紹介しており、その名言の数々にはっとさせられることはあるものの、筆者による解説の内容が薄いです。しかしながら、エマソンの「自己信頼(根拠がなくても自分は絶対大丈夫、最後はなんとかなる)」についての言葉には、自分に自信が持てない人にとっては、非常に有用であると感じるため、エマソンの原書を読んでみたいと感じました。
また、本書では直感を信じ、考えすぎてしまうことを防ぐことを以下の理論を用いて説明おり、興味深かったため紹介します。
・ファーストチェス理論「数秒で考えた答えも、1日かけて考えた答えもほとんど同じという理論」
チェスの名人が、5秒かけて考えた手と30分かけて考えた手は86%が同じという根拠からきています。あれこれ考えてしまいがちな人は、直感で考えた答えに、最もらしい根拠を積み上げて、自分を納得させているだけでしょうか。
- 本書を読んで得たもの
自分自身と自分の直感を信じる。
【自己啓発】自己信頼(エマソン)
プラトン、カント、東洋の哲学などを吸収した独自の思想は、『ウォールデン(森の生活)』を著したH・D・ソローやニーチェ、日本では宮沢賢治や北村透谷、福沢諭吉など古今東西の思想家や詩人、文学者に影響を与えた。彼の残した多くの名言は、今も世界の成功哲学および自己啓発書で度々引用されている。「自己信頼」が収められた論文集『エッセイ第一集』は1841年に刊行。(「Amazon」より)
- 感想
我々は、幼い時には自らの感情を素直に表現していたものの、大人になるにつれて、こういえばああ思われるだろうと周囲の目を気にして、自分に素直になれなくなりつつあります。しかし、我々は他の誰のためでもなく、自分自身のために人生を生きているのであり、もっと自分を信頼して素直・主体的に生きるべきではないでしょうか。本書は1841年に刊行したものを翻訳したものであり、文章が古典的で読みにくいという側面があるものの、全体で100ページ程度であり、時間をかけずに読むことができるでしょう。
- 本書を読んで得たもの
自分の考えを信じること。自分にとって真理だと思えることは万人にとっても真理でると信じること。それこそが天才である。自分にとっての真実は、すべての人にとっての真実だと信じること。
【自己啓発】空気の作り方(池田純)
恒常的に黒字経営が続く球団は、圧倒的なファン数を抱える読売ジャイアンツと阪神タイガース、そして"身の丈経営"を心がける広島東洋カープだけとも言われています。そんな中、ここ5年で急成長してきた球団・横浜DeNAベイスターズ。2011年から4年間で観客動員数は165%に伸び、日本一となった98年以来の球団最高記録を更新。本書は、池田氏がこれまで仕掛けてきたアイデア、球団のあり方など、ベイスターズ改革の全貌、そして池田式マーケティングの極意である、商品が売れる「空気のつくり方」を1冊にまとめたものです。
- 感想
横浜ベイスターズでは、マーケティング戦略として、経営者ではコントロールできない試合の勝敗ではなく、コントロールできる球場に来て楽しいと思ってくれる仕組み作りに注力をしてきました。野球観戦を目的ではなく、野球をつまみに「友人・恋人・家族と楽しいと感じる時間」を目的として横浜スタジアムを訪れてもらうための施策を実行してきました(オリジナルビール、ボールパーク化、清潔間のあるトイレ、横浜に根ざしたブランド戦略など)。
そのため、マーケティング上のライバルを、東京ドームやサッカーなどスポーツではなく、「友人・恋人・家族と楽しいと感じる時間」を提供する映画館や居酒屋やコンサートなどエンターテイメントに設定し、これらと並ぶ選択肢に入るように経営をしてきました。
これだけ徹底的に考え抜き、経営努力をしているのであれば、これだけファンが増えたのも納得できる内容です。また、プロ野球ファン、ベイスターズファン、横浜市民にとっては、読み物として非常に面白い本であると思います。
センスを磨くためには、そのジャンルの物に数多く触れること、特に本物と呼ばれるもの。
- 本書を読んで得たもの
センスを磨くには、様々なジャンルの1流の人・物・サービスに数多く触れること。