【自己啓発】空気の作り方(池田純)

恒常的に黒字経営が続く球団は、圧倒的なファン数を抱える読売ジャイアンツ阪神タイガース、そして"身の丈経営"を心がける広島東洋カープだけとも言われています。そんな中、ここ5年で急成長してきた球団・横浜DeNAベイスターズ。2011年から4年間で観客動員数は165%に伸び、日本一となった98年以来の球団最高記録を更新。本書は、池田氏がこれまで仕掛けてきたアイデア、球団のあり方など、ベイスターズ改革の全貌、そして池田式マーケティングの極意である、商品が売れる「空気のつくり方」を1冊にまとめたものです。

  • 感想

横浜ベイスターズでは、マーケティング戦略として、経営者ではコントロールできない試合の勝敗ではなく、コントロールできる球場に来て楽しいと思ってくれる仕組み作りに注力をしてきました。野球観戦を目的ではなく、野球をつまみに「友人・恋人・家族と楽しいと感じる時間」を目的として横浜スタジアムを訪れてもらうための施策を実行してきました(オリジナルビール、ボールパーク化、清潔間のあるトイレ、横浜に根ざしたブランド戦略など)。

そのため、マーケティング上のライバルを、東京ドームやサッカーなどスポーツではなく、「友人・恋人・家族と楽しいと感じる時間」を提供する映画館や居酒屋やコンサートなどエンターテイメントに設定し、これらと並ぶ選択肢に入るように経営をしてきました。

これだけ徹底的に考え抜き、経営努力をしているのであれば、これだけファンが増えたのも納得できる内容です。また、プロ野球ファン、ベイスターズファン、横浜市民にとっては、読み物として非常に面白い本であると思います。

センスを磨くためには、そのジャンルの物に数多く触れること、特に本物と呼ばれるもの。

  • 本書を読んで得たもの

センスを磨くには、様々なジャンルの1流の人・物・サービスに数多く触れること。